初めての仕事【特許翻訳・フリーランスへ】

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初めて明細書1本全てを翻訳した際の受注ルートやかかった時間、参考書などについて記載します。

納期までにどこまでのクオリティが出せるのか…。

など、初めてで正直不安緊張感、でも仕事を頂けて嬉しいといった気持ちでした。

目次

受注ルート

勤務先の特許事務所から特許の英→日の翻訳のお仕事を頂きました。今までは翻訳は勤務時間内で、手があいたらやっておいてというスタンスでした。そのため、中間処理や出願など翻訳以外の仕事がメインであまり腰を据えて翻訳できませんでした。今回は翻訳1件でいくらといった方式で在宅で翻訳だけに集中することができ、フリーランスへの第一歩というとても良い機会でした。

ワード数、納期、分野

原文の英文は約1万6千ワード、図面等も含め約80ページでした。

分野はメディカルです。

納期は2週間半でした。実際の提出は納期2日前と結構ギリギリでした。

翻訳にかかった時間・処理スピード

翻訳にかかった時間や処理能力は下記の通りです。

フリーランスで最低限必要な処理速度は2000ワード/日と言われているので、そこはクリアできて良かったです

この処理スピードは、初めて案件として仕事した私からすると、7~8割は調査や裏付けを納得いくまででき残りはある程度のところで見切りをつけてやっと…といったスピードでした。

最初の方は全然進まず時間がかかっていましたが、後半になるにつれて特許は同じ言い回しが多いのと、内容の理解も進んでいくためスピードが上がっていきました(そうと分かっていましたが、最初はかなり焦りました)。

使用したCATツール

CATツールの使用については自由でしたので、Smartcat(無料、クラウド型)を使用しました。

Smartcatについては下記をご参照ください。

Smartcatは無料のCATツールのため、有料のものと比較すると用語集が使いづらいと感じましたが、インターフェースの使用感、機械翻訳機能(追加費用要)、翻訳メモリ、進捗管理、QAチェック機能などは有料ものとさほど変わらずに使用できました。CATツールを使用していなかったら、初案件で2100ワード/日という処理スピードは確実に無理だったと思います。やはりCATツールの使用は必須だと感じました。

【この2選!】使用した参考書

外国出願のための特許翻訳英文作成教本

翻訳に迷った際に使用した参考書の中でも一番使えたものは、特許翻訳にフォーカスした下記のものでした。

私が訳に悩んだ語句について、かなりの確率で解説が載っていたのでつまづきやすいポイントが凝縮された本だと感じました。なにより解説が丁寧です。一つ一つ納得しながら読み進められました。特許翻訳に関する同様な本を他にも2冊読みましたが、こちらが一番実務に役立つと感じました。

翻訳の布石と定石

こちらは、特許翻訳に特化したものではなく、実務翻訳(和訳)全般について書かれたものです。

詳しくは下記をご参照ください。

特許は一文が長い傾向があり、andやorが頻出する長文の正しい解釈に悩む場面がありました。この本ではandやorを含め、長文や複雑な文章の解釈のポイントを分かりやすく解説されていて、そういった時に参考にしました。一度この本で勉強しておくと、翻訳中に辞書替わりに「あの本に書いてあったような…」と必要な時に戻れて良いと思います。

番外:フェロー・アカデミー 実務基礎のテキスト

翻訳学校フェロー・アカデミーの実務基礎講座で使用したテキストも何度も見返しました。こちらは、訳しにくく、不自然な訳になりやすい動詞の扱いが解説されていて、翻訳中にこちらも辞書のように使用しました。

詳細は下記をご参照ください。

使用した辞書

辞書はオンライン辞書サービスであるKOD(研究社オンラインディクショナリー)のアドバンスト会員として登録し利用しました。月額1,100円で今回は1か月間のみ登録して利用しました。

初仕事を終えての感想

有難くも勤務先から案件としてフリーランスのように明細書1本全てを翻訳することができました。達成感もあるし、まだまだ足りない部分(実力もツールも)も分かり、次につながる大事な一歩になりました。今回は特に実施例の訳が難しく、裏付けに時間がかかりました。その分野や機器の専門知識の勉強もしていこうと思いました。また案件がでたら頼みたいと言ってもらえたので、最低限のラインはクリアできたかなと思いほっとしました。

以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

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